極上パイロットが愛妻にご所望です
 ときにカウンターでチェックイン後、出発ゲートに来ない乗客を探したりすることもある。
 
 ゲート横のカウンターで準備をしているうちに、機長をはじめ、CAたちがぞろぞろと二列に並んでやってきた。
 
 きびきびとした足並みで近づいてくるのは、食堂前の廊下で見かけた機長と桜宮さんだった。

 先ほどは機長も桜宮さんも制帽をかぶっていなかったが、今はフル装備のパイロットの制服で身を固めていた。
 
 隣の住田くんから「カッコいいな」と小さな声が聞こえてくる。私も声や顔には出さないけれど、同じ気持ち。
 
 桜宮さんを二回も見られるなんて、本当に今日はラッキー。そう思っていると、機長が通り過ぎ、後ろに続く桜宮さんも歩を進める。

 しかし、あろうことか、ふいに桜宮さんがゲートの横にいる私の前で立ち止まった。
 
 えっ……?
 
 彼の目線の先は、私が首から下げているIDカードのよう。

「あ、あの……?」

 私の戸惑いも桜宮さんは気にせず、数秒間IDを見てから、今度は顔をジッと見つめた。

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