極上パイロットが愛妻にご所望です
「へえー、王子か。彼って、披露宴の後、病院へ連れていってくれた超絶イケメンの人よね?」
私が口を開くより先に、友莉子が身を乗り出して思い出したようにパンッと両手を合わせる。
好奇心のきらきら輝くふたりの目が私に集中だ。
「ん……」
わざとゆっくり咀(そ)嚼(しゃく)し、なんて言おうか考える。
付き合っていることを内緒にしたいと朝陽に頼んだのは私だ。同じ職場の久美に話すのは朝陽に対して反故にしている気がして、ためらわれる。
でも、なにかと世話を焼いてくれている久美だ。信頼もしている。朝陽も私のことを久美にいろいろと聞いた経緯もあるから、心を決める。
「うん。実は付き合い始めたの。内緒にしていてごめんなさい」
「ええっ!? そうだったの? うわー、うらやましいー」
友莉子は心の底から驚いたように目を丸くしているが、久美はにっこり笑う。
「そうじゃないかと思ったわ。砂羽の顔が以前より明るく見えるし、色香が出てきたなって」
「い、色香って、そんなことないわよ」
そんなふうに見られていたと知り、恥ずかしくなって顔が熱くなった。
「いやいや、なんだろう。色気が出てきたよ」
友莉子の言葉に久美が同意するように頷く。
私が口を開くより先に、友莉子が身を乗り出して思い出したようにパンッと両手を合わせる。
好奇心のきらきら輝くふたりの目が私に集中だ。
「ん……」
わざとゆっくり咀(そ)嚼(しゃく)し、なんて言おうか考える。
付き合っていることを内緒にしたいと朝陽に頼んだのは私だ。同じ職場の久美に話すのは朝陽に対して反故にしている気がして、ためらわれる。
でも、なにかと世話を焼いてくれている久美だ。信頼もしている。朝陽も私のことを久美にいろいろと聞いた経緯もあるから、心を決める。
「うん。実は付き合い始めたの。内緒にしていてごめんなさい」
「ええっ!? そうだったの? うわー、うらやましいー」
友莉子は心の底から驚いたように目を丸くしているが、久美はにっこり笑う。
「そうじゃないかと思ったわ。砂羽の顔が以前より明るく見えるし、色香が出てきたなって」
「い、色香って、そんなことないわよ」
そんなふうに見られていたと知り、恥ずかしくなって顔が熱くなった。
「いやいや、なんだろう。色気が出てきたよ」
友莉子の言葉に久美が同意するように頷く。