極上パイロットが愛妻にご所望です
「すぐに砂羽の中に沈めたい」

 微かに振り向いた私の唇を朝陽は強引に奪う。胸の頂が痛いくらいに尖りを見せ、私の身体がふわり浮いた瞬間、向き合う形になって、グイッと背にあてられた腕で上半身が朝陽の目に晒された。

 そして胸の頂が朝陽の形のいい唇に含まれ、やんわりと吸われる。ぶるりと身体が喜びに震える。

「あっ、朝陽……」

「わかってる。ベッドだろ」

 朝陽は立ち上がり私を引き上げると、大判のタオルを手にして、私の身体に巻き付けた。
 

 甘い一夜を過ごした私は、オフの朝陽に空港まで送り届けられた。お泊まりできるように数点の服などは、朝陽のマンションに置いてあるから直行できる。

 駐車場のスペースに車を停めた朝陽は私のほうへ身体を向けた。

「じゃあ、次のオフは俺と砂羽の休みが合う日だよな」

 先になるけど、丸二日間あるのはずいぶん久しぶりだった。

「うん。気をつけてね」

「ああ。今度は温泉へ連れていくよ。温泉まんじゅう買いにな」

「温泉! うん。行きたい。楽しみにしてるね」

 微笑んだ朝陽は私の頬に片方の手を置き、顔を傾け優しく見つめたのち、唇へキスを落とす。


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