極上パイロットが愛妻にご所望です
私がある噂を比呂から聞かされたのは、真鍋さんへの返事が今日と迫っていた日。
早番で九時から食堂で休憩を取っていた私は廊下でも、ここでも、なぜだかチラチラ見られていることに気づいていた。
なんでだろう……。
居心地が悪く、私は落ち着かない気分で食事をしている。そこへ私の元へ、比呂が慌てた様子でやってきた。
「あ、比呂。お疲れさま。お先にいただいてるわ」
「砂羽、お疲れさま」
比呂はかつ丼ののったトレイを持って私の横に座る。キョロキョロと辺りを見回してから、片手を口元にあてて口を開く。
「ねえ……、桜宮機長がAANを辞めるって本当?」
温かい山菜蕎麦を口まで持ってきていた手を止めて、驚いて比呂を見る。
「辞めるって……?」
「あちこちで噂になっているわ」
私の耳にはなにも入っておらず、朝陽がAANを辞める噂なんて初耳だ。でもそれならば、視線を感じていたのも納得できる。
「比呂、その理由は聞いている?」
そう尋ねると、比呂は視線をそらし、気まずそうな顔になった。
「……あのね、本当じゃないかもしれないから、気にしないでよ?」
「なあに? そんな言い方された……ら……」
比呂に答えながら、思い当たる節が脳裏をよぎり、ビクッと身体が跳ねる。
早番で九時から食堂で休憩を取っていた私は廊下でも、ここでも、なぜだかチラチラ見られていることに気づいていた。
なんでだろう……。
居心地が悪く、私は落ち着かない気分で食事をしている。そこへ私の元へ、比呂が慌てた様子でやってきた。
「あ、比呂。お疲れさま。お先にいただいてるわ」
「砂羽、お疲れさま」
比呂はかつ丼ののったトレイを持って私の横に座る。キョロキョロと辺りを見回してから、片手を口元にあてて口を開く。
「ねえ……、桜宮機長がAANを辞めるって本当?」
温かい山菜蕎麦を口まで持ってきていた手を止めて、驚いて比呂を見る。
「辞めるって……?」
「あちこちで噂になっているわ」
私の耳にはなにも入っておらず、朝陽がAANを辞める噂なんて初耳だ。でもそれならば、視線を感じていたのも納得できる。
「比呂、その理由は聞いている?」
そう尋ねると、比呂は視線をそらし、気まずそうな顔になった。
「……あのね、本当じゃないかもしれないから、気にしないでよ?」
「なあに? そんな言い方された……ら……」
比呂に答えながら、思い当たる節が脳裏をよぎり、ビクッと身体が跳ねる。