極上パイロットが愛妻にご所望です
 はあ~、どうしよう……。
 
 二分ほどスマホの返信画面を注視してから、結局書けなくてベッドの上にポンと置いた。次の瞬間、スマホが鳴り始めた。

 画面に桜宮さんの名前が浮かび、私の心臓がドクンと一度大きく跳ねた。反射的にスマホを拾って、通話をタッチする。

「もし、もしもし……?」

 緊張で声が上ずってしまい、顔に熱が集まってくるのを感じる。

『桜宮です。砂羽に会いたい』

 あ、会いたいっ!?
 桜宮さんの電話の声は、直で聞くよりも若干低めで、甘く聞こえる。こんな声で機内アナウンスをされたら、うっとりしてしまいそうだ。

 事実、今もそのベルベッドのような、甘さを含んだ声に、鼓動が激しく暴れている。

『砂羽? 聞こえてる?』

 私が惚けていることを承知しているのだろうか、桜宮さんの声色は笑いを含んだものに聞こえる。

「あ、は、はいっ!」

『会いたいって言ったんだけど? これからいい? 今がダメなら、夜遅くても構わない』

 桜宮さんが明日の夜便でローマへ飛ぶのを思い出した。私は早番だ。

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