屍病
キュッキュッという音がどんどん近付いて来る。


さらに、再び階段の電気が点いて、私は慌ててもう一度スイッチを押した。


でも、また電気が付いて……。


「なんで! なんでわからないの!? 電気なんか点けたら、イーターが寄って来ちゃうじゃない!」


すぐに電気を消すために、またスイッチを押す。


それを何回か繰り返した時、その声はすぐ近くから聞こえた。







「テメェッ! 嫌がらせかよ! あぁ!? 俺達がやってることにいちいち反発しやがってよ! ぶっ殺すぞ!」







階段の踊り場……山中はそこから、私に近寄りながら怒りに満ちた目を向けていた。


「ち、違う! 誰もいないはずの学校に電気が点いてたら……あうっ!」


話の途中で、近付いた山中の容赦のない蹴りが私のお腹にめり込んだ。


一瞬、何が起こったのかわからずにいたけれど、気付いた時には床に倒れていて、お腹を押さえて悶えていた。


「うるっせぇよ! 電気のひとつくらいでギャーギャーわめくんじゃねぇ! それより俺達のメシはどうした! こっちは腹減ってんだよ!」


「う……うう……」


反論したかったけれど、お腹を蹴られて苦しんでいる私には、声を出すことさえ出来なかった。
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