秘書清水が見た、冷徹社長の初恋
詳細を春日に伝えると、厳しい顔を見せつつ、目元がわずかに緩むのを見逃さなかった。

「仕事の依頼を受けていただけるといいですね」

暗に、町田さんとうまくいくといいという意味を込めた視線を向ける。鋭い春日は、それを正確に汲み取ったようで、またあの居心地の悪い時に見せるしかめっ面を見せた。

「ふん。せいぜい祈っていてくれ」

「ええ。もちろんです。おもしろくなりそうです」

ギロリと睨まれても、見慣れている自分には痛くも痒くもない。








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