秘書清水が見た、冷徹社長の初恋
「絲、ですか……?」

もう名前を呼び合う仲になったのだろうか……何気なく呟くと、春日が決まり悪そうな表情をした。

「うちにも、常務に町田がいるだろ?区別するために、彼女のことは絲と呼ぶことにした」

いやいやいや。常務と彼女が同席する場なんて、おそらくないだろうに。春日のあまりな強引さに、苦笑してしまう。

「なんだ?清水」

「いえ……セクハラの方は大丈夫ですか?」

「失礼な。そんなことは何もしていない。ただ少し、個人的なことも話していただけだ。絲は今フリーだと言っていた。だから、俺と2人で会っていても大丈夫だということだ」

「そうですか。それは安心ですね」

会っても大丈夫だ?いやいや、本音は口説いても大丈夫だというところだろうが。とはわかっていたけれど、素知らぬ顔でやりすごす。

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