秘書清水が見た、冷徹社長の初恋
「清水」

4月に入った頃、春日に呼び止められた。その口調や表情が普段と若干違うことから、密かにきたなと感じていた。

「7月から8月のことだが……」

「7月29日〜8月1日までの4日間、仕事は一切入れてありませんよ」

春日が呆気にとられた顔をしている。この人とは長い付き合いだ。次に言い出すことぐらい、予想がついている。

「これ以上の平日の連日は、確保できません。それに、7月30日は結婚記念日ですよね?」

「あ、ああ」

「どうぞ。町田さんを新婚旅行に連れて行ってあげてください。あっ、被害を被っている副社長や、その他の重役に、お土産を忘れませんように」

「あ、ああ」

呆気にとられたまま頷く春日がおかしくて、おもわず苦笑してしまう。



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