探偵I(タンテイアイ)【第2巻】



しんと静まり返っていて、道の両脇には木々が多く並び、時々小鳥のさえずりが聞こえてくる。




武市から必ず着るように言われた物を泰平が素早く身につける。




三階建てのハイツの201号室まで、徒歩で階段を登る。




201号室の表札、住人の名前の字ががほぼ消えかかっていて薄くて読めない。




泰平が武市からこの部屋の鍵を預かる。




泰平が鍵を差し込んで回し、ドアノブを握り少しだけドアを開けると、今まで匂ったことがないような特別な匂いが一気に鼻の奥までツンと突き抜けた。




顔を背けたくなるような強烈な匂いだ。




まるで水槽でザリガニか金魚が死んだ時の匂い、いや、それ以上を越える匂いかもしれないと感じた泰平。



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