涙は海に捨てて〜さよなら、大好きだった人〜
「俺は、カヤに好意を抱いていた。しかし、あの通りセダに奪われている。カヤを攫いたいが生憎俺は海賊アレスの天敵だからな。迂闊には近づけない」
「それでどうしろと?」
「お前がカヤを誘拐して、俺の船に連れて来い。そしたらセダはお前のものになる」
グレンの言葉に、テレサは乾いた笑い声をもらした。あまりにもバカバカしい。
「私は海軍だぞ?そんなことをするはずない。そもそも、カヤは妊娠している。……セダの子どもを」
「知っている。アイツの子どもは生まれたら売り飛ばせばいい。とにかく、カヤがほしいんだ。俺の子どもをたくさん産んでもらう」
グレンの目は本気だった。テレサの体に寒気が走る。
「カヤが出産しちまったらセダはこの国からいなくなる。それまでがチャンスだ。それまで待ってやる」
グレンはテレサから離れ、裏路地から出て行く。テレサは体を震わせ、どうしたらいいのかわからなくなった。
その日から、テレサは葛藤の日々が始まった。セダの隣にいたい。しかし、誘拐など大罪だ。冗談では済まされない。
どうしたらいいのかわからず、テレサは海賊アレスの船に時々顔を見せるようになった。セダたちは、いつもテレサを笑顔で出迎えてくれる。
「それでどうしろと?」
「お前がカヤを誘拐して、俺の船に連れて来い。そしたらセダはお前のものになる」
グレンの言葉に、テレサは乾いた笑い声をもらした。あまりにもバカバカしい。
「私は海軍だぞ?そんなことをするはずない。そもそも、カヤは妊娠している。……セダの子どもを」
「知っている。アイツの子どもは生まれたら売り飛ばせばいい。とにかく、カヤがほしいんだ。俺の子どもをたくさん産んでもらう」
グレンの目は本気だった。テレサの体に寒気が走る。
「カヤが出産しちまったらセダはこの国からいなくなる。それまでがチャンスだ。それまで待ってやる」
グレンはテレサから離れ、裏路地から出て行く。テレサは体を震わせ、どうしたらいいのかわからなくなった。
その日から、テレサは葛藤の日々が始まった。セダの隣にいたい。しかし、誘拐など大罪だ。冗談では済まされない。
どうしたらいいのかわからず、テレサは海賊アレスの船に時々顔を見せるようになった。セダたちは、いつもテレサを笑顔で出迎えてくれる。