ナナ
「じゃあ・・・これにする。」


「分かった。ちょっとまってて。」



私が指さした商品をレジに持って行った。



いつも使っているバニラの香水。



これ以外に香水は買うつもりない。



「ナーナ。」


「終わったの?」


「うん。5個も買っちゃった。」


「私達、休み少ないものね。」


「買える時に買っとかないとね〜。さ、帰ろっか。」


「あ、ちょっと待って。」


「なんかあるの?」


「お待たせ。」



いいタイミングで帰ってきてくれた。



「こんばんは。ララさん。」


「こんばんは。」



上品という言葉そのままの挨拶を交わす2人。



「はい。ナナ。」


「ありがとう。また来てね。」


「あぁ。近いうちに行くよ。」



またねと手を振る。



男が完全にいなくなったのを見計らってララが話しかけてくる。



「プレゼント?」


「給料日だったからって買ってくれたの。さすがよね。」


「そうね。」


「さぁ、今度こそ帰るわよ。」



家までつく道のりのたった30分でさえも「いくら?」と聞かれた回数は5回に昇った。
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