ナナ

Sex

「ナナ。」


「なに?」


「はい。プレゼント。」


「ありがとう。」



私の名前を呼んで。



プレゼントを渡して。



ベッドに連れ込めばなんでも思い通り。



「ナナはどういうのが好きなの?」


「健全なやつ。」


「危ないのは?」


「プライベートだったらね。」


「プライベートではシないの?」


「仕事で嫌ってほどしてるし。」


「シてみたいとかって思ったりしない?」



と私の首に片手をかける男。



「忘れたわけじゃないでしょうね。ここでは健全なセックス以外は出来ないのよ。危ないのがしたかったら別の娼館に行きなさい。」



私の言葉を聞いて男はふっと鼻で笑った。



「ナナ以外の女とシようなんて思わないよ。」



唇を重ねる。



音が部屋に響く。



危ないのなんてしたくない。



ここでは健全なセックス以外認められない。



私達が提供するのは健全なセックス。



私の体にしゃぶりつく男。



声をあげる。



淫らで浅ましい。



けどそれでお金を得て太客に育ててる私。



ここでは誰が悪いなんて誰も言わない。



みんな悪いから。
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