rain
「良かったね。どこも悪くないって」


段ボール箱の中にいる子猫に笑いかける
弱々しくはあったけど、返事をするかのように子猫は小さく鳴いた


近くの動物病院を探して
子猫を診てもらった

衰弱してはいたけど
身体はどこも悪くないって事で一安心


「おなか、空いてるでしょ?はい」


スーパーで買ってきた子猫用のミルクとウェットフードを与えれば

よっぽどおなかが空いていたのか
子猫は勢いよくミルクを飲み始めた



「…」


……さて、


ほっと一安心したけど…


「……いつきさんに何て言おう…」


何の相談も許可もなく
子猫を家に連れて帰ってきてしまったから


ちらりと時計を見て
それから子猫に視線を向ける


たくさんミルクを飲んで
おなかがいっぱいになったのか
子猫はうつらうつらと舟を漕いでいた


そんな子猫を眺めていたら
自分も眠くなってきた


いつきさんが帰ってくるまで
まだ時間はあるし…


「…私もひと休みしよ」


近くのソファーに横になって
私は目を閉じた
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