雨のリフレイン
「おめでとうございます、三浦先生、山岸先生」

パチパチと柊子が満面の笑みで手を叩いた。

「ありがとう。八坂さん。
全部見られちゃって恥ずかしいわ」


「団長、やったな」
洸平が肘で山岸をつつく。

「ありがとう。水上のおかげだよ。
水上がメールをくれたんだよ。『三浦教授の体調が優れない。娘の香織が名古屋に戻る』と」

「それだけで、団長飛んできたんだよ?
今日、『今、成田についた。香織に会いたい』って電話もらってビックリさ。慌てて今夜、居酒屋の席を取って、三浦先生を待ってたのに。危うく逃げられるところだった」

「色々ありがとう。全て水上先生のおかげね。感謝してもしきれないわ」

三浦は、指で涙を拭いながら洸平にとびきりの笑顔を見せる。

柊子は、そんな幸せそうな三浦がちょっと羨ましい。
4年もの間離れていながらも、ずっと愛されていた。気持ちはすれ違ってねじれていたけれど、互いを思いあい、愛を消さないで育てていた。


これほど愛されている三浦が、羨ましい。



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