雨のリフレイン
ひとしきり吐いて落ち着いて、柊子は廊下に座り込む。

「落ち着いた?」

母がコップに水を入れて、渡してくれる。

「…うん」
「柊子、あなた、生理来てる?」
「え?あ、うん。…うん?」

考えもしなかった。母に問われて、思い出そうとするが思い出せない。

「冬の間は国試の勉強で忙しくて、ストレスも溜まってたし…不順だった。最近も忙しくて。
でも、そんな、あり得ないから」
「どうかしらね。
お母さん、ちょっとドラックストア行ってくる。
もしもってこともあるし」

もしも。
柊子は、体の震えを覚えた。

やっと、看護師になれた。
やっと、仕事を始めてこれから、なのに。



ドラックストアで母が購入してきた検査キット。
結果を見るなり、柊子の世界は真っ暗になった。



「柊子、すぐ病院に行きましょう。
さすがに大学病院は行きにくいから、駅二つ隣の産婦人科にしましょ。
仕事始めたばかりで、ちょっと早いけど、でもこればかりは授かりものですものね」


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