雨のリフレイン
「わかりました。
では、図々しく私の方からお願いがあります。
この結婚、とりあえず一年間、私が卒業するまでは何があっても継続でお願いします。
もし、水上先生に相応しい女性が他に出来たなら、一年後に解消で構いません。
それから、私はまだ学生なので、混乱を避けるために学校や友人には、なるべく結婚の事実は隠しておきたいです。
最低限の必要な相手だけに知らせるで、いいですか?」


柊子の申し出に、きょとんとする水上と翔太。
先に我に返ったのは、翔太だった。


「そうこなくっちゃ!
さすがは柊子ちゃん。しっかりしてる!
もちろん、異論はないよな、洸平。
俺が証人になるからな。一年後、どうなるかなー」


やけに楽しそうな翔太。水上の背中を叩いてニヤニヤと笑っている。

「わかった。
ただ、写真だけは撮るぞ。信子さんに、君の花嫁姿を見せるために。
結婚式は、落ち着いたらっていうことにすれば信子さんも納得するはずだ。
知らせる相手も、君に任せる。
学校の事務には俺から話をつけるから」




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