雨のリフレイン
「ずいぶんと可愛い酔っ払いだな」

水上にしがみついたまま、あっという間にスウスウと寝息をたて始める柊子。
疲れているところに久しぶりのアルコール。酔いが回っても無理はない。


「あわてるな。俺なら大丈夫だから。
君のこと、ちゃんと見てるから。今しか出来ないことを、まずは頑張れ。
ちゃんと卒業して、夢を叶えたら。その後は容赦しない。
君は、俺の“妻”なんだから」


脱力した柊子の体をぎゅっと抱きしめる。それからそっと離して、フワリと抱き上げる。


「そんなに無防備だと、食われるぞ。
…まったく。拷問かよ」


抱き上げた柔らかく温かい柊子の体を、ベッドまで運ぶ。
ベッドに優しく下ろしたが。

柊子の手が水上の服をぎゅっと握って離さない。


「ほら、離せよ。ゆっくり、休め」


だが手は離れない。


「ったく。しょうがない酔っ払いだな。
こんなんじゃ、危なっかしくて酒なんて飲ませられないぞ」


水上は、自分を掴む手を離すのを諦め、柊子の体を引き寄せた。




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