あたしはデイ。
数日後。

フィーナが指定した時刻は早朝だった。

テサン湖の桟橋。

多くのボートや帆船が並んでいる。
お嬢様であるフィーナが保有するのはそのうちの一隻。

ツバメ号という。

小型の一本マストの帆船だ。

で、だ。

オールドも召集される。

フィーナはダウンジャケットを羽織っていた。

「ああ。
もう。

ブリーフィングするんだった」とフィーナ。

「フィーナ。
たぶん説明は今からでも出来るよ」

とあたし。

「たしかに」とフィーナ。

で、だ。

男子のオールドに説明。
一つは真冬のテサン湖の水温について。

ツバメ号から落下しても救助される見込みは少ないこと。

フィーナはそれを伝えていた。
たぶんフィーナには子供なりのリアリズムがあって、それが伝わらないのがもどかしい、とそう思ってるんじゃないかな?

「いいですか。
今回のツバメ号の寄航地はヤマネコ島の桟橋ですが、事故がないように気をつけて行動しませんと」とフィーナ。

「だよね」とあたし。
「わかった」とオールド。
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