あたしはデイ。
こうしてツバメ号が出港する。

弱い西風が吹いている。
目的地のヤマネコ島は西側にある。

「現在の気圧は?」とフィーナ。
「1008ヘクトパスカルです」とオールド。

と汽船が走っている。
平行して。

あたしたちはマスト上方の旗を下げる。
と汽船が汽笛を鳴らした。

「嬉しいなあ」とあたし。
「ですわね」とフィーナ。

国際慣習法を調べておくべきだった、とフィーナ。
けれどあたしはそのつぶやきの意味が分からなかったのだ。

こくさいかんしゅうほう?

しばらくしてフィーナは微笑んだ。

ツバメ号はヤマネコ島へと進む。
風が出てきた。朝日がテサン湖を照らす。
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