凪いだ青を待ってる



「…ったく」



――…ぽんっ


復唱の意図を読み取れなくて、首をかしげるわたしに

先輩がわたしの頭に優しく手を乗せて、すぐさま離した。


…たぶん先輩にとっては「叩いた」んだと思う。全っ然叩いたうちに入らないけれど。



「あの…?」

「体育館以外で、キャプテンって呼ぶなって言ってるだろー?」

「…あっ。青葉…先輩」

「よくできました」



…あぁ、またくしゃっと笑って、きゅんとした。

鎖骨の奥が甘いしびれを帯びた気がして、あいている左手でさすってみた。



「一緒に行こう、体育館」

「っ、はい!」



青葉先輩。


すきです。

だいすきです――…。

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