凪いだ青を待ってる



「っ!?」

「ちょっとあかり!!大きい声出さない!!」



職員室を出て、帰ろうと下駄箱までの廊下を歩いていたら

突如後ろから聞こえた可愛らしい大声に、わたしの肩が水が跳ねたかのように弾んだ。


おそるおそる後ろを振り返ると、幼稚園の服を着た5歳くらいとみてとれる女の子がわたしを指さしている。


……え、わたしを…??



「おねーちゃんの!くまさんの横の!!」

「へ…?」

「こら、あかり!!ごめんなさいねいきなり大きな声出して、行くよほらっ」

「だめだよあーちゃん!!あおちゃんとおんなじの付けてるよ!!!」

「えっ、」




――…厳密に言うと

わたしをではなく、わたしのカバンを、だった。

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