凪いだ青を待ってる
「後悔は微塵も無い。これからは自分に出来るサポートの仕方を全力で考えて、実行していって、みんなと一緒に春高予選に挑みたいと思ってる」
「「………」」
「こんな俺だけど、これからもよろしくお願いします」
――…青葉先輩は、はっきりとした声とどこまでも澄んだ瞳でそう言った。
彼はあれから前を向き続けている。一瞬たりとも後ろも下も向かずに、歩み続けているんだ。
「待った青葉、お前今までと変わらず練習でも試合でもどこでもキャプテンだからね」
「…は…?」
「青葉の考えそうなことだ、サポート役だから端っこで見守ってーとか思ったんだろ?ふざけんなマジでぶん殴るぞ」
「試合で椅子に座れるのは監督とコーチとマネージャーっすからね、うちには全員いますし。応援席からとか考えてるならまたラーメンおごってもらうっす」
「……いや、でも…」
「藤枝、俺も安藤たちに賛成だ。春高予選では立花の1番を着ていてもらうぞ。…コートの中の6人の中にいなくとも、お前はうちの選手なのだから。コートの外から選手として存分に6人を鼓舞してやってくれ」
――…いつも、思う。
立花ほどあたたかくて愛に溢れて、絆が強いチームをわたしは知らない。
そして、その一員となれていることを、本当に幸せに感じるんだ――…。