凪いだ青を待ってる



「……っ…。

――…ありがとうございます…っ!!!」



プレーが出来ないからなんだ。気持ちは同じなのだから。

キャプテンとして、控えの選手として試合に参列してもらう。その選択を彼以外のみんなが迷うことなく、当たり前のように満場一致でとっていた。


青葉先輩が涙を浮かべると

部員たちが揃ってからかって、また笑顔が広がって。



「藤枝キャプテンなんか一言」

「隼人さんの背中をぶっ叩くくらいの良い言葉、お願いしまーす」

「朝陽お前いつになったら俺を敬うんだよ!?」

「「あははっ!!」」



だいすきな、だいすきな立花のバレー部。

この日々は無限じゃない。いつか必ず終わりが来る。それをみんな、知っているからこそ。




「…っお前ら、本当に最高だな。立花は最高だっ!」

「「「いえーーーい!!!」」」




残り1か月、18人で出来る準備はすべてしていこうと改めて確かめ合った。

< 186 / 232 >

この作品をシェア

pagetop