恋叶うオフィス
前の打ち合わせが早めに終わったので、先に着いた私はロビーラウンジでコーヒーを飲みながら、武藤の到着を待った。


「渡瀬、お待たせ。時間ないからすぐ行こう」

「うん。あ、ありがとう」


武藤はさっと椅子に置いてあった紙袋を持ってくれた。私は急いで、会計を済ませる。

ホテルの本社に入り、指定されたミーティング室のある階までエレベーターであがる。エレベーターのドアが目的の階で開くと、そこには武藤を気に入っている山崎さんがいた。


「こんにちはー」

「どうも」


にこやかに挨拶する山崎さんは、武藤しか見ていない。武藤の返しは素っ気ないのに、気にすることなく彼の方へとニコニコ顔で、手を差し出す。


「それ、サンプルのタオルですよね? 私、持ちます」

「いえ、自分で持っていきますので」

「そうですか? 武藤さん、いつになったら食事してくれます? 私、ずっと待っているんですよ? 」

「あー、申し訳ないです。なかなか都合がつかなくて」


私は、私の前を並んで歩くふたりを見ていた。
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