恋叶うオフィス
私たちが納得しても、相手側が納得しないことはもちろんあり得ることだ。

サンプル品を手にして、小声で話し合う様子を静かに見守る。時々うん、うんと頷きあって、笑顔になっていた。その様子に安堵しながら、武藤に目線を向けた。

武藤も同じように私を見て、口元を緩ませる。今回は大丈夫と目で語り合い、小さく頷きあった。

ホテル側の承諾を得られて、無事これで商品化することが決定する。

来週には十月になるので、販売スタートは早くても来年になる。これから発注をかけて、正式な納期が決まったら、藤田くんから連絡させるということで、本日の打ち合わせは終了。


「ありがとうございました」

「武藤さん、渡瀬さん。良かったら、こちらの優待券を受け取ってください。クリスマスディナーの割引券です」

「わあ、ありがとうございます! クリスマスなんて、まだまだ先だと思っていましたが、考えてみると今年もあと三か月で終わりですものね」

「はい、一年早いですよね。ぜひ、クリスマスのデートにご利用ください」
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