恋叶うオフィス
武藤は夕方から問題のある店舗に行っていて、時間も時間だから直帰するのかも思っていた。
「あ、いや……ここまで戻ってきたけど、やっぱり今日は帰ろうかと考えていたところ」
「そうだよ。絶対帰った方がいいって」
「だよな。で、渡瀬はなんでこれ見てたの? 行くの?」
武藤は笑ったあと、これとポスターを指差す。私が見ていたのは、花火大会のポスター。もう花火大会の季節なんだ、一年って早いなとしみじみしていた。
「ううん、うちから見えるから行かない」
「えっ、渡瀬の部屋から見えるの?」
「うん。近くはないけど、ちゃんと見えるし、音も聞こえるよ。うちね、狭いけど、一応ベランダがあるんだよね」
「へー、自分の部屋から見れるのはいいね」
「うん、人が二人なんとか立てるくらいのベランダだけど、毎年ビール飲みながら見てる」
私はベランダがどのくらい狭いのかと説明しようと、武藤の隣に移動した。
「このくらいかな」と、顔を武藤の端と自分の端に動かす。もう少し狭いかもと、体をより武藤に近付けた。
その時、お互いの肘が当たる。寄りすぎた……。
「あ、いや……ここまで戻ってきたけど、やっぱり今日は帰ろうかと考えていたところ」
「そうだよ。絶対帰った方がいいって」
「だよな。で、渡瀬はなんでこれ見てたの? 行くの?」
武藤は笑ったあと、これとポスターを指差す。私が見ていたのは、花火大会のポスター。もう花火大会の季節なんだ、一年って早いなとしみじみしていた。
「ううん、うちから見えるから行かない」
「えっ、渡瀬の部屋から見えるの?」
「うん。近くはないけど、ちゃんと見えるし、音も聞こえるよ。うちね、狭いけど、一応ベランダがあるんだよね」
「へー、自分の部屋から見れるのはいいね」
「うん、人が二人なんとか立てるくらいのベランダだけど、毎年ビール飲みながら見てる」
私はベランダがどのくらい狭いのかと説明しようと、武藤の隣に移動した。
「このくらいかな」と、顔を武藤の端と自分の端に動かす。もう少し狭いかもと、体をより武藤に近付けた。
その時、お互いの肘が当たる。寄りすぎた……。