あなたに恋をする〜happiness〜
だって………。
転校してきて羽山君の隣の席になったでしょ。
それで羽山君が風邪ひいたときにお見舞いにきた。
うん、私で間違いない。
でもなんでそんなこと知ってるんだ?

「光正がね最近、食事の時に話すのよ!あなたのこと!」

「え、そうなんですか!?」

食事の時に私の話なんて………恥ずかしい。
食事を台無しにしてないかな?
私はそっちが心配だよ………。

「光正ね、そういう話、あんまりしなかったの。
だから心配してたのよ。でもあなたの話をしてるときの光正ったら目をキラキラさせて言うのよ」

そういって笑った羽山君のお母さん。
羽山君は………私の話をしてくれるんだ。
なんだか嬉しいな。
私は胸をぎゅっとつかんだ。
そして強く………握った。

「これからも光正をよろしくね、恋ちゃん」

「………はい!」

羽山君のお母さんは優しく笑った。
それは羽山君の笑顔と似ていた。

「あれ、花宮さん?」

「………羽山君!」

後ろを振り向くと羽山君がそこに立っていた。
リビングのドアのところで固まったまま。
私は笑って羽山君に飛び付いた。

「羽山君、もう遅いよ!!明日のことで打ち合わせしようと思ったのに!」

「明日………?」
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