恋を拗らせている。
「あ…みーり」
「ちょっと来て〜」
「ん〜…」



弥那は立ち上がって、俺の後ろを素通りして瑞李のところに向かう。

みーり、なんて呼んで仲良さそうだな、ほんと。



「し、俊哉、くん?顔が怖いですよ?」
「…あぁ?」
「そんな気になるんなら聞いてこればいいのに」

「…んなことできるわけないだろ」
「まぁ…そうだろうけどさ」



神楽は眉をハの字にした。



そうしている間にも教室の前から弥那はいなくなっていて。
どんどん萎える。



「割と本気でガチでガチじゃん」
「なに言ってんのお前」
「いや…弥那ちゃんのこと、めっちゃ好きじゃん?って」




そんなの…当たり前じゃん。
他の男と楽しそうに話してるのなんか、見たくない。



「…あー、きつ」






◇ ◇ ◇





「先輩、めちゃくちゃ誕生日プレゼント貰ってますね」



部活終わり、部室で着替えてる途中に、和久に話しかけられる。



「…めっちゃ邪魔なんだけど」
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