恋を拗らせている。
「い、いかないよ?
私、明日弟とゲームする約束、してるし」



なんだその可愛い約束。



「あ…そ」



瑞李と、出かけないなら…いいや。
俺は扉から手を離すと、着替えようと足元にカバンを下ろした。



「ダンボール、俺が片付けとくから。
終わったらその辺に置いといて」
「う…うん、ありがとう」



弥那はいそいそと部室を出て行った。



「…あぁー…」



やってしまった。
俺はその場にしゃがみ込む。



何やってんだよ、ほんと。
フったじゃん。
弥那も引き止めてくれなかったじゃん。
だから、諦めたんじゃん。終わったんじゃん。

俺じゃなかったんだって。瑞李だったんだって。
なのに、どうして。

俺はこんなにも。







───弥那を諦めきれないんだろう。
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