華麗なる人生に暗雲はつきもの
「お兄ちゃんはアホな上にバカだからさ、小春ちゃんが同じのでいいって言うのを真に受けてさ、毎年小袋のお菓子。それでいて、彼女へのお返しが他と一緒なんてありえない、気を利かせろ、なんて言ってんの。お前が考えろって言う話だよね。正直、あの時に小春ちゃんにお兄ちゃんと別れるように説得するべきだったわ」
「………………」
「むむむむ。そんなアホとアホにも失礼なほどアホでバカな男が彼氏とあっては、師匠の不満が溜まる一方だ。師匠はその辺りが完璧なお人でな」
「お兄ちゃんが最低最悪ド級のアホバカなんだから、幼馴染の君と比べることさえ侮辱だよ。幼馴染の君って、王子様の具現化みたいな人なんでしょ?お兄ちゃんとは、人種が違うよ」
「………………」
二人の会話を聞いていて、本当に俺はアホでバカな男だとつくづく思う。
なぜ、今まで何も思わなかったかが不思議なくらいだ。