華麗なる人生に暗雲はつきもの
「前より増えてるわよね?」
「………………」
「女と遊び放題、選び放題なのに一途だから?失恋して今がチャンスだからかしら?そうよね、傷心を癒すには新しい恋!傷心を狙えば確率は上がるわね」
「上がるわけないだろ。そんなせこい女をどうして好きになれる」
「良く言うわね~あんただって小春の傷心を狙っていたんでしょ?」
すっと冷た視線を向ける俺に怯むことなく、気楽な表情を浮かべた宮野は拍手をした。
「なんだ!睨む元気があるのね。それならできるでしょ。この手紙の処理をするならば小春の近況を教えてあげる」
はぁ?
それは本当か?
「高杉から聞かなかった?昨日、私たち仁の家で小春に会ったのよ」
嘘でも冗談でもない。
俺が条件を飲むと宮野は話し始めた。
「普通に元気だったわよ。小春は」
「………それは良かった」
俺と別れたことを後悔して元気がなかったとかメルヘンなことをやっぱりどこか期待していて、少し落ち込んだが、水野は元気であって欲しい。