一級建築士の甘い囁き~ツインソウルはお前だけ~妊娠・出産編
「本当はさ、ようやく萌音と付き合うようになって、デートしたり、旅行に行ったり、イチャイチャしたり、恋人にしかできないことこれからたくさんするつもりだった」

海音は、萌音の繋いだ手を擦りながら切ない声で囁く。

「そんなこともしてやれずに、妊娠させてしまって・・・。萌音はまだ22歳だし、本当は子供なんてまだまだって思ってただろ?」

「うん。正直驚いたよ。仕事も始めたばかりだったし、こんな未熟な私が母親になってもいいのかな?って思った。でもね。不思議と子供の存在を否定することはなかったの。だって海音と私の子だよ?妊娠がわかった時、海音も言ってたじゃない。きっと私達を選んで、適切なタイミングでここにやって来たって。海音が避妊を忘れたのも、この子達が゛忘れろ、忘れろ゛って念を送ったんだよ」

萌音の優しい言葉に、海音は小さな卵子と精子が念を送る様子を想像して爆笑した。

「それにね。私達には物凄い味方がたくさんいるでしょ?海音のご両親に、お姉さん夫婦。長嶺教授に・・・あ、そうだ。今日、フランスから帰ってきたお母さんに昼休みに会ったんだよ。孫の面倒みたいから日本に戻ってくるんだって」

「そっか、結子さんが・・・心強いな。」

「うん。あのお母さんがそんなこと言うなんて、明日は槍が降るかも?」

嬉しそうに笑う萌音に、海音も心から安堵していた。
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