一級建築士の甘い囁き~ツインソウルはお前だけ~妊娠・出産編
2週間経ち、無事に桜は子宮の張り止めが内服にきりかわり、自宅退院することになった。

歩行が許可されるようになってもお腹が張ったり、出血することなく過ごせるようになり安心した。

もちろん仕事はお休みである。

桜と二人の入院生活は楽しく過ごすことができた。

お互い一人だったら、こんなに不安なく過ごすことはできなかっただろう。

萌音はといえば、5日後の6月19日38週になっての切開分娩を予定している。

いよいよ双子に会えるのだ。

ワクワクする気持ちは嘘ではない。

しかし、賑やかだった桜の退院で、萌音はやはり寂しくなり、不安が増したのは否めない。

一人になり、トイレに行こうとした時に、それは突然やって来た。

いきなり当間隔の陣痛。

恥骨の部分がギュッと押される感覚が強くなってきている。

もしかして・・・

萌音以外、誰もいない個室状態の二人部屋に緊張が走る。

「お願い、まだ生まれないで・・・」

萌音は痛むお腹を押さえながら、何とかしてベッドサイドまでたどり着き、ナースコールを押した。
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