彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)



「ショッピングモールの方が、近いですよね?」

「賛成!お金使わなくても使えるイスとテーブルが、無数にあるもんね!スマホの充電もできるし!」

「じゃあ、急ぎましょうか?」

「うん!レッツゴー♪」



のん気に元気な掛け声を出すと、私の手をつかんで歩き出す友達。



「あの~よっちゃん・・・」

「大丈夫!絶対に見つからない道があるから!」



えへへ!と楽しそうに笑いながら私を誘導するよっちゃん。



「嬉しいな~すがちゃんと勉強会~♪」



ウキウキなよっちゃんを横目に、周りを警戒品が歩いた。

学校帰りにショッピングモールに寄る生徒は多い。



(・・・そういえば渕上達も、勉強会とか言ってたな。)



みんなで勉強会とか言いながら、私をニヤニヤしながら見ていた。

私には、そのみんなの輪の中になんか入りたくない。

入れてくれなくていいけど、いじめることをやめてほしい。




(だって私、悪いことなんてしてないんだから・・・!!)




「付き合ってくれてありがとーすがちゃん!お礼にジュースおごるね!」

「いえ、いいですよ。お茶も持ってきてますから。私のことは気にせず、よっちゃんだけ好きなものを買って飲んで下さい。」

「え!?さみしいこと言わないでよ~!?1人だけ冷たいのを飲むのはさみしいな~遠慮しなくてもおごるよ?」



そんなんだから君、ネットで借金作っちゃうんじゃない?と言いたかったけど我慢する。



「私は大丈夫ですよ。その~おごってもらうのは悪いので。あと、やっぱり私も買いますから。」

「え!?ダメダメ!いいよ~お礼なんだから!今日は黙って、おごられとこうよ!ね?」

「でも・・・」

「いいからいいから!てか、すがちゃん、あたしに対してまだまだ固いぞー?」

「え?固い?」

「態度が固いよ!敬語をなくしてくれたら~・・・今日はこの辺で、解散にするんだけどなぁ~?」

「・・・わかった!よっちゃんに敬語は使わないよ!」

「そうそう!その調子!しっかし、暑いね~」



強い日差しの中、空いている方の手をうちわにしてあおぎながら、よっちゃんはぼやく。




(暑いのなら・・・)

「手、はなそうか?」

「それはダメ!!」




大声と共に、私の動きを止めるよっちゃん。




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