彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)



「僕は丸山さんに暴行の被害届を出してほしいと、切実にお願い申し上げます!いかがでしょうか・・・!?」

「いいぜ・・・!チョコが望むなら、暴行罪と一緒に、名誉棄損でもつけて現行犯で逮捕してもらうように申請する!」

「ばーか!どこに俺らが手を出した証拠があるんだよ!?」

「店内にいる全員が目撃者ですが?」

「俺らには偉人さんがついてるんだ!」

「おい、そこのサラリーマン共!しゃべったら殺すぞ!」



鼻ピアスは威嚇しながらおじさんに近づくと、人差し指で肩をつつきながら言った。



「身元割り出して、人生終わらせてやるからな!?」

「そりゃあ、おじさん達の仕事だね。」




ガチャン!




脅す鼻ピアスの腕に、上着の内ポケットから取り出したものを手首にかけるおじさん。



「へ?」



金属音と、鼻ピアスの間抜けな声が響く。





「あ!?あれは――――――――」

(手錠!?)

「な!?なんで手錠を!?」

「それはね~おじさん達が警察だからだよ~?」

「「「け、警察!?」」」





バラさんの言葉で、3馬鹿が真っ青になった時、荒川という刑事が叫ぶ。





「20時34分、暴行罪と公務執行妨害で現行犯逮捕だ。」

「うわっ!?」





そう言うなり、耳ピアスを捕まえる。

それを見て、岩倉という刑事も動く。



「さあ~聞いた通りだ!おとなしくしなさい!」



口ピアスを捕まえようとしたが――――



「じょ、冗談じゃねぇ!」

「あ!?どこ行くんだ!?待てっ!」



1人、逃亡を図る口ピアス。

岩倉の手を離れたが、口ピアスの足元へ瑞希お兄ちゃんの足が伸びる。



「逃げんなっ!」

ガッ!ドスン!

「ぐあ!?」




見事引っ掛けることに大成功。



「手間かけさせんな、コラ!」

「いたたた!いてぇーよ!」



腕をひねりあげながら立たせると、岩倉へと引き渡す瑞希お兄ちゃん。






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