隣の部屋のお兄ちゃん
「陽斗くん!」
振り返れば、制服の陽斗くんの姿が目に入った。
そして、陽斗くんはニコニコと私の方へ向かってくる。
「ど、どうしたの?今日早いね」
昼間リノ達が変なこと言うから、変に挙動不審になってしまった。
……変に思われてないかな。
「うん、テストだからバイトも入れてないしね」
「ふ、ふーん」
あたしが学校で言われたことなんて、そんなの陽斗くんは知らない。
だから、あたしの隣に並んでいつも通り優しい笑顔を向けてくる。