隣の部屋のお兄ちゃん



「さっちゃん、もう怒ってない?」

「……」

まだ外の風はカタカタと吹いているけど雷は落ち着いてきた。
ブレーカーも陽斗くんに上げて貰って、部屋の電気がつけられてやっと部屋の中が明るくなる。


「さっちゃんに無視されるのはきつかったなー」

なんて眉を下げて、子犬のようにシュンとする陽斗くんをみて、胸がぎゅッてなった。


「あたし、そんな怒ってた?」

「怒ってたよー、もうプンプンしてた」

゙プンプン゙って何よ。でも、陽斗くんらしいな。



「あ、あたしが怒ってたのは……」

「え、昨日のことでしょ?」

< 37 / 44 >

この作品をシェア

pagetop