隣の部屋のお兄ちゃん
「さっちゃん、もう怒ってない?」
「……」
まだ外の風はカタカタと吹いているけど雷は落ち着いてきた。
ブレーカーも陽斗くんに上げて貰って、部屋の電気がつけられてやっと部屋の中が明るくなる。
「さっちゃんに無視されるのはきつかったなー」
なんて眉を下げて、子犬のようにシュンとする陽斗くんをみて、胸がぎゅッてなった。
「あたし、そんな怒ってた?」
「怒ってたよー、もうプンプンしてた」
゙プンプン゙って何よ。でも、陽斗くんらしいな。
「あ、あたしが怒ってたのは……」
「え、昨日のことでしょ?」