皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした
パサリとかけられたタオル。



「このまま部屋に行くか?」

「えっ、ムリです…」

「ならば立って着替えて欲しいのだが」

「立て、ない…」

「はははっ、なら少し座っていろ」



髪を乾かす時に座るイスに下され、タオルで包まれた。



頭がボーッとする…。



アレ、怖い…。



噛まれるの、気持ち良すぎて怖い…。



うとうとしていたら、着替えの終わった殿下に抱き上げられた。



「風邪を引く前に部屋に戻る」

「や、このまま、ヤダっ‼︎」

「湯当たりだとでも言っておく。寝たふりしとけ」



有無を言わさぬ殿下は、タオルに包まれた私をそのまま部屋まで連れてきた。



管理をしているメイドには、『長湯しすぎたようだ』と言って黙らせる。



恥ずかしくてお風呂行けない…。



部屋のソファーに下され、髪を殿下の魔法で乾かしてもらって。



「抱いてくれと言っているのか?」

「言ってないです…。とても、眠くて…」

「本当にのぼせたか。水飲め。あっ、飲ませてやろう」



楽しそうな殿下は口移しで私に水をたっぷり飲ませたと、思う。



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