皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした
気がつけば朝になっていて。



殿下が眠る隣で目覚めると、何も着ていない私の身体。



しっかりと布団に包まれ、更に部屋には暖房が入っていて。



殿下の優しいところにまた触れた気がする。



早く服を着ようとソッとベッドを抜け出し、目に入ったバスローブを手にした時、私の目に入ったのは無数の赤い何か。



首に、胸に、お腹に、足に…。



これ、なに…?



腕にまである。



その時、気配を感じてバスローブを慌てて羽織った。



「で、殿下…」



寝起きの殿下が、そのまま私を抱きしめた。



機嫌、とてもいいみたい…。



朝は基本的に殺人鬼の目をしているのに。



「どうだった?」

「な、なにがですか…?」

「俺のキスマーク」

「は…?」

「遊ぶと言ったのに、寝たアリスが悪いのだぞ?だから、寝てるアリスと遊んでやったのだ」

「えっ、キスマークって…?」

「コレ。強く吸えば着く」



首の赤い痕をトンっと指さされた。



あの、全身の赤い痕跡ですかっ⁉︎



< 139 / 480 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop