皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした
グレンも俺なのだが?



なに、訳のわからないことを。



腹立つ。



「つまらない。もういい。部屋に戻る」

「そうですか」



冷え切った夫婦。



そんな言葉が浮かぶ。



うまくいかん。



自室に戻り、アリスのことを考えた。



考えても、考えてもわからない。



自分の感情に任せて、ひたすらアリスを追い詰めるのは楽しい。



それでいいと思ってるし、俺は最近楽しいのだ。



それなのに、なんだあの顔。



そんなに嫌いなのか?



「だぁぁぁぁぁ‼︎」



イライラが収まらず、庭に出て少し歩き、タバコに火をつけた。



話し声が聞こえ、そちらを見れば人影がふたつ。



俺に気づかず、寄り添って歩いて来る。



「えっ?で、殿下っ‼︎」



やっと俺に気づいたふたりは、膝を地面につけて礼を取る。



ここは城内で働く者なら誰でも入れる庭か。



「申し訳ありません、いらっしゃるとは思わず…」



俺が歩きすぎたのか。



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