皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした
とてもラフな格好で、目が赤いのは泣いたせいだろうか。



「遅くにごめんなさい」

「いえ…」

「温かいものでもいかがです?」

「あっ、私がやりますから‼︎」

「いいの、お客様は座っていて」



お茶をふたつ。



ソファーに座り、静かに飲む。



さっきとは別人のようにおとなしい…。



「混乱しているのですか?」

「ガブリエルは…いえ、レオナルド様は、どうしてあたしを選んだのだろうと…。選り取り見取りじゃないですか‼︎アリス様みたいな美人、いっぱいいると思うし‼︎」

「んー、どうなんですかね。レオナルド様、興味があることしかやらない方みたいですし。ローラ様のことは、本当に好きだと思いますよ?」

「子どもができたかもしれないから…だから結婚しようなんて言ったんですよ。めんどうな女は城にでも閉じ込めとけばいいって思ってるんだ…」

「そう言ったのですか?レオナルド様が」

「言ってない…けど…」



ジワッと目に涙が溜まった。



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