皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした
『不安』『怒り』『戸惑い』そんなことだと思う。



とにかく、不安そう。



「あたしなんか、こんなお城にいてはダメなのっ…」

「そんなことないわ」

「あたしは平民の娘よ⁉︎誰も認めないっ‼︎ガブ…レオナルドが苦労するのなんて目に見えているのに‼︎」

「いいんじゃないですか?苦労しても。それを承知で、好きになったのだと思いますよ」

「そんなの…」

「守られていることも、なかなか心地がいいものです。少しだけ、チャンスをあげることはできませんか?」

「チャンス…ですか…?」

「お家の方が大丈夫なら、少しここで過ごしてみません?」

「でも、あたし…こういうところは似合わないし…」

「それなら私もです。私は殿下の隣に立っていていいのか、未だに疑問なので」

「はははっ、とてもお似合いですよ?」

「あなたとレオナルド様も、私にはお似合いに見えました。なので、少しだけ、お時間を与えてあげてください。お願いします」

「わかり、ました…」



うまくいきますように…。



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