皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした
男勝りな所も多いけれど、たまに女の子になるローラは、本当にステキな人。



用意されたドレスが窮屈だと言っているし、体を動かしたいからとメイドの仕事を取ってしまうのだけれど、笑って生活してくれている。



「式には参列してくれるか?」

「それは…」

「それまでに、レオナルドに返事をしてやってくれ」

「わかりました…」



まだ迷いがあるのは、ここでの生活だろう。



今までの生活とガラリと変わるのだから、大変なのは目に見えているし、私と違って作法や言葉使いにも苦労しそうなの。



「ローラ、私が着いているから大丈夫よ‼︎」

「ありがとう、アリス」



だけど、決めるのは本人なのでこれ以上は何も言えない。



レオナルド様とは別室のようだし、レオナルド様も朝までいることはないらしい。



ローラが部屋に戻ってから、ソファーに座るリュークの膝の上。



こうして会いに来てくれただけで嬉しい…。



「後宮のことなのだが」

「はい…?」

「セレスティーナとリタに、意志の確認をしようと思う。このまま後宮に残るか、家に帰るか」

「それで大丈夫なのですか?私の代わりにリタ様に仕事をしてもらうのでは…」

「いなければいないで、それなりの対応をする。お前を好きになって気づいたのだ。あのままでは…可哀想だと」

「リュークは…本当は優しいのですね」

「いじめるのはお前だけでいい」



そう言ってキスをした。



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