皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした
ベール越しにキスするとこだった…。



「衣装合わせの時はベールはなかったな」

「全てをお見せしたら楽しみが減ってしまいますでしょう?」

「はははっ、策士め」



悪女でもいい。



俺のアリスは、きっと世界で一番美しい生き物だ。



俺があげたネックレスにピアス、ブレスレットと指輪。



もう、なんでもいいから抱きたい。



このままベッドにさらってしまおうか。



「礼装、ステキです、リューク」

「お前の姿は誰にも見せたくないな…」

「今からたくさんの人に見られるのですよ?」

「ヤダ…」



だけど、時間は勝手に進むもの。



礼装姿の父上に、結婚とアリスを正妃に迎える了承をもらう。



参列者の拍手をもらい、白い花嫁を連れて王城へ移動した。



「歓声がすごいですね…」

「あぁ、顔見せなんてしたくないのだがな…」

「ほら、手を振って」

「仕方ない」



国民にふたりの姿を見せ、また城に戻る。



あぁ、馬車はヤバイ。



「気持ち悪っ…」

「大丈夫…?」

「うっ…」



城に駆け込み、とりあえずトイレに直行して吐いた。



往復はキツい…。

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