皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした
リュークの旅がどれほど長くなるかわからない。



少なくとも、戻る前には分かると思う。



すんなりとできることの方が少ないのだから、期待はしてはダメなのよね。



「皇后様は…リュークができたのは、すぐだったのですか?」

「すぐだったわね。いつでもいいって思っていたけれど、想定外の早さだったの」

「そう、ですか…」

「アリスちゃんも、急ぐことはないわ。ゆっくりでいいのよ」

「はい…」



でも、リュークが欲しがっていたの。



帰ってきた時に、そんな報告ができたらいいのに…。



リュークに、子どもの顔を見せてあげたい。



だって、リュークは実は子ども好きなんですもの。



自分の子なら、きっとたくさん可愛がってくれると思う。



それに…リュークは自分の代わりだと思ってるに違いないの。



どうなるかわからないから、私に残してくれようとしていたんだと思う…。



私たちの希望を。



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