涙とキスと隣の泣き虫



久し振りに先輩と手を繋いで歩けば、数日前の先輩との関係が頭に思い浮かんでくる。
夏のジメジメした暑さなんか一気に吹き飛んで、心がウキウキしてしまう。


「先輩、どこ行くんですか?」

「ゆっくり話せるところがいいかなと思って」

そのまま先輩と並んで、歩き慣れた駅前の道を曲がる。


「カラオケ…ですか?」

そして、足を踏み入れたのは、よく行くカラオケBOXだった。
なんか意外だなーと思ったところで、


「うん、誰にも邪魔されないから」

先輩は付き合ってた頃と変わらない笑顔でそう口にする。
そのままカウンターを通さないで、部屋へと向かうから疑問がうまれてきた。


「え、先輩?」

「部屋は大丈夫だよ」

「あ、あの……」


バタンとドアが開かれればタバコの臭いが鼻につく。
カラオケBOXの中を見渡せば、数人の男の人がソファに腰を下ろしていた。

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