私の知らない私の家族
「嫌っ!」
私は思わずお兄ちゃんから離れた。
「うそ…うそだよね…ねえ嘘でしょお兄ちゃん?!お兄ちゃんはいじめとか万引きとか動物虐待が許せなくて被害者を殺したんでしょ?!罪のない人なら殺さなかったでしょ?!」
『ねえお兄ちゃんそうなんでしょ?!』
そう言おうとした時、返ってきたのは無機質な返事だった。
「いや?俺は人殺しができれば誰でも良かったんだよ?」
何の罪悪感も感じていない様子のお兄ちゃんの態度に、私は言葉を失った。そんな私に構うことなくお兄ちゃんは続ける。
「ただ、何の罪も無い人間を殺すより何か問題のある奴を殺した方が後々言い訳もしやすいし情状酌量もされやすい。」
…嘘…
「それに被害者が問題児の場合、事件が報道されたら加害者である俺だけじゃなく同時に被害者の生前の悪行も炙り出されるわけだからあまり報道もされない。」
…嘘だよ…
「そして何より俺は当時9歳…小学4年生だ。14歳未満のできるだけ幼いうちに実行しておいた方が罰も軽いし少年院にも入れられない。自立支援施設で数年退屈な時を我慢すればいいだけだ。」
…全部嘘…!
「あれは触法少年だったからこそ出来た貴重な実験だったんだよ…」
「嘘だああああああああっっ!!」
お兄ちゃんの忌まわしい言葉をかき消すように私は叫び、勢いよくお兄ちゃんに掴みかかった。
私は思わずお兄ちゃんから離れた。
「うそ…うそだよね…ねえ嘘でしょお兄ちゃん?!お兄ちゃんはいじめとか万引きとか動物虐待が許せなくて被害者を殺したんでしょ?!罪のない人なら殺さなかったでしょ?!」
『ねえお兄ちゃんそうなんでしょ?!』
そう言おうとした時、返ってきたのは無機質な返事だった。
「いや?俺は人殺しができれば誰でも良かったんだよ?」
何の罪悪感も感じていない様子のお兄ちゃんの態度に、私は言葉を失った。そんな私に構うことなくお兄ちゃんは続ける。
「ただ、何の罪も無い人間を殺すより何か問題のある奴を殺した方が後々言い訳もしやすいし情状酌量もされやすい。」
…嘘…
「それに被害者が問題児の場合、事件が報道されたら加害者である俺だけじゃなく同時に被害者の生前の悪行も炙り出されるわけだからあまり報道もされない。」
…嘘だよ…
「そして何より俺は当時9歳…小学4年生だ。14歳未満のできるだけ幼いうちに実行しておいた方が罰も軽いし少年院にも入れられない。自立支援施設で数年退屈な時を我慢すればいいだけだ。」
…全部嘘…!
「あれは触法少年だったからこそ出来た貴重な実験だったんだよ…」
「嘘だああああああああっっ!!」
お兄ちゃんの忌まわしい言葉をかき消すように私は叫び、勢いよくお兄ちゃんに掴みかかった。