御曹司に身分違いの恋をしました。


私だけが特別な関係じゃないんだ
そうだよね
話したのが今日初めてで
そんな関係を結ぶ
と言うことはそれだけの関係
勘違いしたら奈落の底に落ちちゃう
例え山口さんの心がなくても
またこうして会える関係なら
それでもいいじゃない
どうせ私は貧乏だしシンデレラには
なれるわけがないんだから。


「坂町通り付近ですけど?」


「あっ!その先の路地を曲がったところで
降ろしてください」


だけどやっぱり家の場所は言えなかった。


「こんなところに家があるんですか?」


「車が入らないところなんで
ありがとうございました」


「車が入らないところ?」


「そうです」


「はいはい そう言うことにしておきます
場所を知られたくないってことですね」


運転手さんも鋭い。


「はい。。。すみません」


「前にも一度ありましたから
深い関係じゃないから
後でゴタゴタになるのが嫌だから
って人がね」


「一夜限りの相手という事です?」


「若かりし頃の話ですよ
今は違いますからね」


違わないかも。。。
私も一夜限りの女かも。。。


「私は。。。」


そんなんじゃないですよ
と言いたいけれど
同じようなこと。


「私は住んでる場所を見られたくないだけですよ
オンボロアパートに住んでるから
幻滅されたくないから
ありがとうございました」


そんな言葉運転手さんは
信じないだろうけど
運転手さんに今までの女と同じように
見られたくないから
そこは真実を述べたのだった。


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