御曹司に身分違いの恋をしました。


「とにかく今日は帰る!
拓実が帰るまで待ってようと思ったけど
父さんにあんなこと言われて
この家に居たくないの!」


「何言われたのよ」


「稼いで助けろ!って無くない?」


「え?そんなことまで?」


「この数ヶ月で払わなくてもいい金を
あたしからずいぶん
取っておいてよく言うよ
親子なのに学費を払えだなんて!
あたしは義理だけど
拓実にも同じ事をやったら許さないから」


「ずいぶん?ずいぶんって?
月々1万円じゃないの?」


「はぁ?よく言うわ!
桁が違う桁が!」


「え?」


母は驚いていた。


母には私に借金返せと言っても可哀想だから
口を吐いたからには後に引けないから
気持ちだけ1万だけ貰ってると言ってたそうだ。


「今度お父さん抜きで話さない?
母さんの気持ちも聞いて欲しいから」


母が初めて私に父抜きで話そうと言った
きっと悩みがあるのだろう。


「うんまた連絡する」
と私は実家をあとにした。


ムシャクシャする!
こんな時愚痴を聞いてくれる彼がいたら。。。


山口さん。。。
連絡知らない。。。


ベリーヶ丘にまで来たが
もうこんな時間
山口さんの事務所がある付近は
電気が消えているように見える。


偶然にでも会えるかな?と
期待してきてみたが
会えるはずもなく。。。


次に浮かんだのは川相さんだった。


「愛華ちゃんどうした?」


「すみません・・・お忙しいのに」


「いや いいよ
何かあったのか?」


「今日で返済終わりました」


「そっか よかったね」


「ありがとうございました」


「あっ!もう食事は終わったのか?
実家でお母さんの手料理食べてきたかい?」


「食べてません
嫌なこと言われたので
急いで帰ってきちゃいました」


「嫌なこと?
今どこにいるんだ?」


「病院の前です」


「待ってなさい
美味しいものでも食べに行こう」


「はい」


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